アニェーゼ・サンクティス製作記

原型師への道Blogからアニェーゼ・サンクティスの製作記をまとめました。
まずはファンドで作った芯から用意します。

芯の状態から、おおまかに何頭身か、あとは全長なども決めておきます。

他の方もそうだと思いますが、まずは頭の部分から作っていきます。
おおまかな形から、少しずつ目的の形になるように削っては盛ってを繰り返します。初心者の方にはなかなか大変ですが、経験を積んでいくしかありません。

顔の形が出来てきました。正面だけでなく、横顔も考慮して作ってあります。

さらに整形を繰り返し、ようやく顔らしくなってきました。
左、正面、右と、形を確認します。また気になった部分は後から修正も出来ます。

頭部を胴体にくっつけてみました。大きさのバランスはそう悪くないですが、やや足が短い気がします。あとで足を継ぎ足して伸ばしていきます、

足を少し伸ばして、さらに胴体をデザインナイフで削って形を整えてみました。足首の形も出しています。

そして太ももやヒザ、ふくらはぎ、骨格を意識して盛り付けては削り…。を繰り返し、デッサンしながらドンドンと改良していきます。

ようやく形になってきました。とりあえず女性らしい感じが出てきたと思います。この時点で、ヒジやヒザ、腕や足の長さなどがおかしくないかチェックしておきます。デッサンに異常は感じないので、今度は原型の反対部分、体の裏側を作っていきます。

後ろ側もしっかりとファンドを盛り付けて整形しました。「ふくらはぎ」や「ヒザの裏」の形をいかに綺麗に出すかがキモです。

骨格がしっかりしてきたので、今度は腕周りの筋肉を付けていきます。女性らしい体つきになるように意識して、余分な凹凸は無くしていきます。

体全体を整形しました。この上から服を着せていくので、特に腕などは気持ち細めにしてあります。次は髪の毛と服を付けていきます。

アニェーゼは髪がロングのオールバック？なので、前髪が前に垂れないです。とりあえず頭の上にファンド(石粉粘土)をのせて整形してみました。ついでに腕の形も出しています。

薄くのばしたファンドを腰に巻きつけて、スカートを付けました。設定画通りの超ミニスカの修道服を製作していきます。

上半身の服も、少しずつ様子を見ながらファンドの盛り付けで製作。シルエットに注意しながら形を出していきます。

服にエリを付けました。ようやく服らしくなってきましたね。設定画では服に線が入っているので、それにあわせてペンで線も書き込みました。今度は髪の毛が寂しくなってきましたので、もうちょい髪の毛を作っていきます。

髪の毛を彫刻刀の丸刀で削り、もっと綺麗な髪の形にしました。イメージの確認用に後ろ髪もちょっと付けてみました。キャラは似てないですが、可愛い女の子っぽい感じになってきました。

さらに整形して、今度は服にシワを付けていきます。これで一気に服らしくなりましたね。そして手も製作していきます。僕の場合は、指を一本ずつ作っていきます。その方が整形もしやすいかと思います。

手を作ったところ。右手は蓮の杖を持つので、ちょっと手を握った形になってます。左手はちょっと脱力した感じにしています。

設定画はもっとタイトなスカートだったので、それに合わせてスカートの広がりを無くしました。端のほうをニッパーでカットして、新しいファンドでつないでいきます。

次は足です。これも手と同じように、一本ずつ指を付けていってます。かなり細かいので大変です。たまにＷＦ等イベントで足の指がイビツな作品を見ますが、うまい人ほど手や足の指が綺麗に作ってあるんですよね。頑張って作ってみます。

なんとか、足の指を作りました。なかなかしんどいです…。

そして今度は後ろ髪の製作。棒状に伸ばして曲げたファンドを、乾燥後に削って形を出しています。髪が密集している感じを出すために、後ろ髪は二重構造になってます。原画ではこんな感じですが、フィギュア的にはもっと質感が欲しい所。

そこで…。質感向上の為に、思い切って彫刻刀の小丸刀(1.5mm)で溝を入れまくって、画像のような髪の毛にしました。凄い大変でした…。

後ろ髪に合わせて、前髪部分も溝を全体に付け、目の周りも掘り込んでみました。正直言って全然似てないですが、これが精一杯でしたね。

そして最後に作ったのは、アニェーゼの武器こと蓮の杖。羽部分はプラ板を切り出して作ってます。根元部分を無理やり接着剤とファンドで接着しています。＾＾；これで原型はようやく全部完成しました。

いよいよ表面処理。何回もやっているので、特に問題もなく進行しました。あらかじめ余分な凹凸は無くしてあるので、大体は傷埋めが中心になってます。一番下の画像が、表面処理を終えてサフを吹いた状態の原型。

仕上げのサフを吹いて、ようやくアニェーゼ・サンクティスの原型も完成！長かったです、ハイ。その分喜びもひとしおです。いずれ今後のＷＦに出品したい作品となりました。まあその際には、またもうちょっと手を入れて、完成度を上げておきたいところです。

美少女フィギュア原型製作のおおまかな流れはこんな感じです。苦労も多いですが、やはり徐々に上達していく楽しみもあります。